これまで4回にわたって連載してきました「自分の歯で食べたい!」ですが、今回が最終回となります。最後のテーマは、「歯垢(プラーク)について」お届けしたいと思います。
| 歯垢(プラーク)とは? |
人間のお口の中には300種類以上の細菌がいて、私たちと同じように必死に生きています。健康な人の口腔内細菌のうち、およそ7割は口腔内の環境を一定に保つ働きをしている善玉菌で、残りの3割が虫歯や歯周病などを引き起こす悪玉菌だと言われています。(お腹の中みたいですね。)また、唾液によって細菌の数が増えすぎるのをコントロールするため、お口の中が乾燥しているドライマウスの方などは、歯垢(プラーク)が増えすぎて虫歯や歯周病にかかりやすくなります。
| 歯垢と歯石 |
しかし、プロでも100%完全に歯磨きをするというのは難しく、定期的に歯医者さんで歯石取りを受けることも大切ですね。
| 歯垢の中の細菌 |
| その名の通り、顕微鏡で見るとまん丸な形をした菌です。虫歯を作るミュータンス菌も球菌で、連なっているためミュータンス連鎖球菌と呼ばれます。 酸素があってもなくても生きることができる菌です。 | |
| 納豆菌も桿菌の一つで、棒状の形をしています。 乳酸桿菌はミュータンス菌と並ぶ有名な虫歯菌で、ミュータンス菌と同じく酸素があってもなくても生きることができます。 | |
| カビも糸状菌の一つで、菌糸と呼ばれる手のようなものが出ている菌です。歯ぐきを腫れさせ、歯肉炎や歯周病の原因菌とも言われます。 酸素があってもなくても生きることができますが、酸素を苦手とする菌もいます。 | |
| 桿菌の中でも酸素が苦手な菌で、酸素の薄い歯周ポケットの中でよく動きます。歯周病の原因菌で、毒性の高い菌です。 | |
| らせん状の形をした、酸素が苦手な菌です。普通の細菌と異なり、体が被膜で覆われている為柔軟で、菌体をくねらせたりコルク抜きのように回転しながら活発に運動します。 歯周病の原因菌で、毒性も高い菌です。 |
*分かりやすいよう、かなり大雑把な分類にしています。
| バイオフィルム |
バイオフィルムができると、中の細菌にとってとても住みやすい環境となり、唾液やうがい薬も寄せ付けません。さらに成熟したバイオフィルムは歯ブラシでは簡単に除去する事が困難で、歯科医院での機械的な歯面清掃が必要です。
| 1.マイクロコロニー | |
| 歯の表面に細菌がくっつきはじめます。 吸着し合う細菌が次々と集まり、歯垢(プラーク)が成長し始めます。 | |
| 2.バイオフィルムの形成 | |
| 集まった細菌たちはネバネバしたものを体にまとって、安全な膜に包まれたような状態になります。膜の中には唾液やうがい薬などの殺菌剤・抗生剤なども届かず、機械的にこする以外には除去することが難しくなります。 バイオフィルムの初期では、球菌と少量の桿菌で構成されます。 | |
| 3.バイオフィルムの熟成(中期) | |
| バイオフィルムが熟成してくると、糸状菌が多くなり球菌や桿菌は減少してきます。 バイオフィルムの内部では、最適な環境で増殖できるよう細菌同士が上手に棲み分けをしています。 | |
| 4.バイオフィルムの熟成(後期-1) | |
| 特に歯周ポケットのような酸素の薄い環境では、酸素が苦手な菌が多く繁殖します。運動性が高く、歯ぐきを破壊して体内に入り込み、脳梗塞や心筋梗塞・糖尿病などの原因の一つになるとも言われています。 | |
| 5.バイオフィルムの熟成(後期-2) | |
| バイオフィルム内は細菌にとって最適な環境ですが、さらに仲間を増やすため、時々細菌を外に排出しています。そうして、新たな環境で新たなバイオフィルムを作るわけです。 | |
| バイオフィルムの除去 |
もちろん、磨きにくいところは丁寧に歯間ブラシや糸ようじなどを使って磨くことが大切です。入れ歯も毎日ヌルヌルしたところが無いか確認しながら磨き、入れ歯用の洗浄剤なども使うときれいに保てます。(入れ歯のお手入れ方法はこちら)
さらに、歯医者さんで歯石やバイオフィルムを取り除くスケーリングやルートプレーニングを受けたり、歯の表面を機械を使って清掃するPMTCを受けることで、バイオフィルムを取り除くことができます。これらは、歯医者さんの定期健診で受けることができます。(定期健診についてはこちら)
ながみねクリニック歯科では、定期的な歯の健診をおすすめしています。
自分の歯で食べることがどんなに幸せなことか、これは入れ歯を経験された方にしか分からないかもしれません。しかし、 お口の健康は全身の健康につながる のです。
一生自分の歯で食べられるよう、毎日の丁寧な歯磨きと定期的な歯科検診を受けましょう!!





