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サルコペニア予防は食事から始めましょう!~合言葉は「さあにぎやかにいただく」~

「サルコペニア」という言葉をご存じですか?
サルコペニアとは、加齢や疾患などにより筋肉量が減少し、全身の筋力や身体機能が低下することです。着替えや入浴、歩行が困難になるなど日常生活に大きな支障をきたすだけでなく、転倒による骨折や疾患が原因で寝たきり・要介護状態に陥るリスクも高くなります。
サルコペニア予防には「栄養と運動」が大切です。
食事は主食・主菜・副菜を組み合わせ、3食しっかり食べる(バランスのよい食事)ことを心がけましょう。

なぜ「バランスの良い食事」が大切なの?
たんぱく質は肉や魚、卵、大豆製品に多く含まれ、筋肉の材料になります。しかし、肉や魚(たんぱく質)だけをたくさん食べても、エネルギーが(糖質、脂質)が不足していると体は燃料不足になり、筋肉を作ることができません。
また、野菜などに含まれるビタミンやミネラルは、食事から摂った糖質をエネルギーに変える働きを助けたり(ビタミンB1など)、たんぱく質を筋肉に合成する働きを助けるもの(ビタミンB6など)、骨を作る(カルシウムなど)、味覚を正常に保つ(亜鉛)など私たちの体の調子を整えたり、体づくりをサポートする役割を持っています。バランス良く食べることで、これらの栄養素をまんべんなく摂ることができ、サルコペニア予防に繋がります。

サルコペニア予防の合言葉!「さあにぎやか(に)いただく」

 

※「さあにぎやか(に)いただく」は、10の食品群の頭文字をとったもので、ロコモチャレンジ!推進協議会が考案した合言葉です。

主食に加えて、これら10食品群の中から毎日7種類以上を摂ることで、バランスの良い食事をすることができます。特にたんぱく質は毎食欠かさず摂りましょう。

市販品を利用して手軽に「バランスの良い食事」を
たくさんの食品を献立に取り入れるのは難しいと感じる方も多いと思います。
缶詰(鯖缶、焼き鳥缶詰など)や袋入り千切りキャベツ、カット済み冷凍野菜などの市販品を利用すると、手軽にバランスを良くすることができます。食材と調味料を入れて電子レンジでチンするだけで一品料理ができる「シリコンスチーマー」など、便利な調理器具もたくさんあります。

例:ご飯の上にのせるだけ! 「鯖缶のっけ丼」
※白米・鯖缶(味噌煮)・ミニトマト・小ネギ・ごま油

例:焼き鳥缶詰をご飯にのせて! 「焼き鳥丼」

具沢山の味噌汁やサラダをプラスしましょう!
焼き鳥缶をだし汁と
溶き卵でとじて「親子丼」に☝

私たちのからだは口から食べたもので作られます。サルコペニア予防も毎日の食事からです。バランスの良い食事で健康寿命を延ばし、生き生きとした毎日を過ごしましょう。

―栄養科 管理栄養士―