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ナラティブ看護を実践して ~人生紙芝居~

赤とんぼ黒髪の有料に入居中のS氏のナラティブ看護(※)を、仁誠会クリニック黒髪の看護師と赤とんぼ黒髪介護士の協同で実施しました。新型コロナの影響で外出がまだ厳しいですが、少しでも楽しいひと時、またリフレッシュしてもらいたく、ご家族のご協力のもと今回のお食事会開催となりました。
ナラティブ看護
S氏は少し前に血圧低めにて透析が困難な時もあり、少しでも楽しい計画ができたらと思い、話の中で、私たちがまだ理解できていないS氏のこれまでの人生があることがわかりました。
S氏からの「透析中はきつい、透析中はそれに伴った話ばかりで楽しい話がしたい」との声に、透析室での関わりに変化が必要ではないかと思いました。
また本人と話をする中でご家族との関わりを深く感じました。そこでご家族と共に歩んできた人生を「人生紙芝居」とし、本人・家族・関わるスタッフと共有していきたいと思い、今回「S氏の人生紙芝居」を作成することにしました。
本人は恥ずかしいから家族の前ではしなくていいと言われましたが、ご家族は聞かれた後に目に涙をため感動されていました。
ナラティブ看護

また、S氏のしたいことの一つ、「美味しい物が食べたい」の実現に向け、この日1日だけ黒髪の病棟に中華屋さんをオープンさせました!サプライズで赤とんぼ黒髪のスタッフより、大好きなご当地ビールの地図の作製と、大好きなビールのプレゼントが!
久々にご家族4人で集まられたとの事で、どこまでも笑い声が響く会となりました。
ナラティブ看護

ご家族のみなさん、ご協力本当にありがとうございました。
私たちはこれからもS氏の人生に寄り添う看護を行っていきます

※ナラティブとは…(出来事の語りを聞き)患者視点で受け取ることで信頼関係を築き双方が満足できる医療を行う事と定義しています。患者の思いを知ることでこれからの看護に活かしていく。患者の思いに寄り添う看護の提供を目的とするものです。

仁誠会クリニック黒髪 看護部 石口小百合