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フットケア便り2.白癬(水虫)について

水虫は、白癬菌というカビが皮膚に付着し、侵入すると起こる感染症です。人にうつることもあるので、自分のためだけでなく、まわりの人のためにも完全に治療する事が大切です。

水虫のプロフィール
●本名         白癬菌(真菌[カビ]の一種)
●職業         感染
●好きな食べ物     爪や皮膚の[ケラチン]というタンパク質
●好きな場所      高温多湿なところ(バスマット・蒸れた靴の中)
●好きな季節      夏  寒く乾燥する冬は活動が弱まる
●サイズ        数マイクロメートル(1マイクロメートルは1㎜の1/1000です)

白癬の種類について

趾間型 趾間型 ※一番多いタイプ
・足の指の間が赤くなり痒みを生じる。
・とくに薬指と小指の間が赤くはれ皮膚が白くふやけてジクジクし、赤くただれ、かゆみが生じる。
小水疱型 小水疱型
・小さな水疱がいくつも出来る。
・足の裏の土踏まず・指の付け根に近い部分などに、赤い水疱ができる激しいかゆみをともなう。
・水疱が目立たず、皮がむけるだけの人もいる。
角質増殖型 角質増殖型
・あかぎれのようなひび割れを起こす。
・踵にできやすいが、足の裏全体の角質が厚く、硬くなる。
・冬季に角質の乾燥が進んで、痛みを生じる。
・剥がれた角質が床に落ちそこから感染することがある。
爪白癬 爪白癬
・爪の先が厚くなり、黄白色に濁る母趾にできやすい。
・どの爪も侵されることがある。
・爪の先端から白色、黄白色に混濁する。
・爪の質がもろくなりボロボロになる。
・足の水虫をきちんと治療しないことで、足の爪に白癬菌が感染する事が多くみられる

水虫の治療薬の塗り方について
足の水虫治療はまずは塗り薬でします。塗り薬にはクリーム剤・液剤(ローションを含む)軟膏剤などがあります。
ぬり薬のポイント
ポイント1 完治は根気強く
見た目が良くなってきたからといって薬を自己判断で中止しないこと。
白癬菌は皮膚の奥(角質層)に潜んでおり、約1ヵ月で剥がれ落ち新しい角質となります。症状がなくなっても最低1ヵ月は塗り続ける必要があります。

ポイント2 両足に広範囲に塗る
白癬菌は症状がないところにも潜んでいるので、症状が認められる場所以外にも広くまんべんなく塗りましょう。症状は一部でも、足全体に(指の背面、足の側面、アキレス腱の周囲も忘れずに)塗りましょう。片足に症状がなくても両足に塗りましょう。
なぜなら、片一方の足で踏んだ床をもう一方の足で踏むわけですから、両方の足に菌がいると考えられるからです。

片足に塗る量はどれくらい?
●軟膏・クリーム 手の指先から第一関節まで薬を出した量
(薬のチューブの口径によって、量に多少の差が出ます)
●ローション 手のひらに出したときおおよそ1円玉大

ポイント3 いつ塗るの?
お風呂上りが効果的。お風呂上りは、角質層の水分量と温度が高い状態で、薬が浸透しやすい状態であること、さらに、汚れや前に塗った薬が除去され、きれいな皮膚に塗れるからという理由があります。

水虫予防の4ヶ条
第1条 感染源を避ける
水虫患者が落とした白癬菌がつかないよう、まめに掃除をしてサンダル・スリッパなどの履物は共有しないように注意しましょう。例えば、お父さんが水虫だったら、バスマットは別に使ってもらいましょう。

第2条 清潔にする
顔を毎日洗うように足も毎日石鹸を使って汚れを落としましょう。指の間もよく洗うようにしましょう。

第3条 乾燥させる
足の指の間に水分が残ると水虫の温床になります。きちんと拭き取りましょう。

第4条 通気を心がける
靴下やストッキング、靴は通気性のよい清潔な物を着用し、長時間履き続ける人は時々脱いで風を通しましょう。靴下の材質は、吸湿性、通気性の点で木綿のほうが合成繊維よりも優れています。靴は3足以上でローテーションにしましょう。

水虫をほっておくと感染を起こし、ちょっとした傷から菌が入り込み悪化してしまいます。たかが水虫と思わず、ちゃんと治療をしましょう。

仁誠会クリニック大津 フットケア指導士 田浦 智美(看護師)