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「食べたい」想いに寄り添う~入院患者さんの栄養ケア~

仁誠会クリニックながみねでは、摂食嚥下機能が低下し思うように食事を摂ることができない入院患者さんに、「食べたい」意欲を引き出す工夫をしています。今回は、実際に行った取組みについてご紹介します。

義歯(入れ歯)が合わないため食事量が減っていた患者さんより「甘いものが食べたい」とご希望があり、主治医へ相談し嚥下評価を行ないました。幸い嚥下機能に大きな問題はなかったため、アイスクリームやケーキ、和菓子など色々なおやつを提供し、不足する栄養素は栄養補助食品で補いました。ケーキや饅頭の皮など誤嚥の可能性があるおやつは看護師・栄養士が最後まで付き添い、安全に摂取できたかを確認しました。入院期間中に新しい義歯を作成し、食事量も増え無事に退院することができました。


また、食事量が減少し「お寿司が食べたい」と希望された患者さんには、主治医の許可を得てご家族に握り寿司の差し入れをお願いし、写真のように具材を小さく切りとろみ付きの出汁あんをかけ、安全に摂取できるよう工夫しました。次第に差し入れを楽しみにされ、食事摂取への意欲が見られました。
入院中の楽しみの一つが食事です。摂食嚥下機能が低下した方でも、可能な限り「食べたい」思いに寄り添うことができるよう取り組んでいきたいと思います。

―仁誠会クリニックながみね 栄養科 管理栄養士-