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「シャントを守ろう!ーこの時期シャント閉塞が増えています!ー」

光の森では7月にシャント管理に関する患者勉強会を行いました。昼サイクル患者さんの約半数の方に参加して頂きました!
シャント閉塞

◎シャントって?
透析では多くの血液を体外へ運び出し、老廃物を除去した後体内へ戻すため十分な血液量が必要になります。
血液を取り出して戻す仕組みをVA(バスキュラーアクセス)といいます。VAの種類には、内シャントの他にも人工血管(グラフト)、動脈表在化、長期留置カテーテルがあります。
透析患者さんにとって、透析を続けていくためにはVAを長持ちさせることが大切になります。しかし、VAは様々な合併症も伴い、その中のトラブルとして一番多いのが、狭窄や閉塞です。

◎問題
シャントの狭窄や閉塞を起こしやすい原因はいくつかあります。下記のうちあなたはどの項目に当てはまりますか?

□止血ベルトは長時間強く締め付けている

□止血ベルトは翌日までしている

□シャントの腕で重い荷物を持つ

□シャントの腕を手枕にして寝ている

□夏場は脱水になっている

いくつ当てはまりましたか?これらはすべて、シャントの狭窄・閉塞に繋がります。
他にもさまざまな要因が加わりシャントが狭窄・閉塞するので注意が必要です。

 ◎脱水とシャントの関係
脱水夏場は脱水や血圧低下が起こりやすく、シャント閉塞件数も多くなっています。
脱水を予防してシャントを守りましょう。
脱水とシャントの関係

 

脱水は体の水分が失われた状態で、汗をかいたとき・寝ているとき・入浴中などに起こりやすいです。
症状として、ふらつきや口の渇きが出現します。
脱水になると血管内の水分が失われて、血液が濃くなり血管が細くなっている部分で血栓を形成し、閉塞します。

 

脱水を予防するためには、定期的に水分摂取をすることが大切です。しかし、透析患者さんの場合は水分制限があるため注意が必要になってきます。

水分摂取するときは、氷を舐める・小さいコップを使うなどの工夫をして、急な増減を防止するとともに、日頃から体重を測り、体重が基礎体重より下がらないように水分調整をしていきましょう。
しかし、農作業や入浴後などの汗をかいたとき・脱水になったときには、体重を測ったうえで十分な水分を摂取しましょう。こまめに水分摂取をするために、水分を摂取する時間を決めるなどの工夫も良いかもしれません。

暑い日が続きますので、適度な運動も大切にしつつ、脱水などを予防することでシャントトラブルなく透析を行い、元気に夏を乗り切りましょう!

-仁誠会クリニック光の森 臨床検査技師 前川-