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技士部・看護部・栄養科のチームケアによるサルコペニア予防の取り組み

元気に長生きしていただくために

仁誠会クリニックながみねで行っているサルコペニア予防の取り組みについてご紹介します。

仁誠会では今年度『患者さんが元気に長生き』を目標とし、各科が協力してサルコペニアを起こさせない取り組みをしています。

サルコペニアとは、「加齢に伴って生じる骨格筋量と骨格筋力の低下」のことをいいます。人の筋肉量は40歳を境にして徐々に減少していく傾向があり、60歳を超えるとその減少率は加速します。タンパク質の摂取不足と運動量の減少によって、作られる筋肉よりも分解される筋肉の方が多くなることが原因です。サルコペニアは、特に高齢者の身体機能障害や転倒のリスク因子になり得るとされています。

このサルコペニアを少しでも予防しようと、技士部・看護部・栄養科で力を合わせて取り組んでいます。

各科の取組みをご紹介します。

看護部では、 現在、可能な方にはお声掛けをして、透析中にベッド上で自転車こぎやDVDを視聴しながら一緒にエクササイズを行ってもらっています。筋肉をつけるためには運動だけでなく、食事も大事になってくるので、呑み込みが悪くなっている方がいないかなど、患者さんの状態を把握しながら出来ることをサポートしています。

技士部では、 透析患者さんは、透析をすることでタンパク質が毒素と一緒に抜けてしまうことがあります。
タンパク質が抜けること自体は、食事でしっかりタンパク質を摂取出来る方にとってはむしろ良いことなのですが、食事が入らない高齢者の方や体調不良が続いている方にとってはタンパク質が減っていく一方で、筋肉を維持するどころか、生命予後をも悪くしてしまいます!
そこで、すこしでもタンパク質を維持できるように、透析の方法や人工腎臓の種類などを、検査データや患者さんの体調などを考慮しながら選択しています。

 

栄養科では、 検査データなどから食事がとれているか、摂れていたとしても内容はどのようなものなのか等の聞き取りを患者さんに行い、筋肉が付きやすい食品等のアドバイスを行ったり、時には食事がとれていない患者さんに栄養補助食品など勧めたりと食事面でのサポートを行っています。

まだまだ課題はありますが、患者さんに元気で長生きしていただけるよう取り組んでいます!今後もサルコペニア予防についての取組みを発信していきます。

仁誠会クリニックながみね 技士部 島﨑