スタッフの声Voice of staff

テーマ「チャレンジ」

  • 2022.12.9  
  • 所属:
    仁誠会クリニック光の森 技士部
    職種・資格:
    臨床工学技士
    名前:
    Y. T
  • 仁誠会フィロソフィー論文

―2022年 仁誠会フィロソフィ論文 新人賞-

 

仁誠会に入職して早4か月が経とうとしています。
この4か月という短い期間だけでも、私の人生においては、一番濃い期間だったのではないかと思うぐらい、毎日「喜怒哀楽」といった様々な感情を抱えながら過ごしてきたと思います。しかし今思えば、様々な感情が生まれてきたのは、それだけ多くのことにチャレンジしてきた証となっているのではないかと振り返りながら考えました。

私の元々の性格は度がつくほどのネガティブでした。特に「チャレンジする」という言葉・行動は、私にとっては考えられないことでした。チャレンジしたところで失敗して周囲の方にも迷惑をかけるだけで、嫌な気持ちしか残らないはずなのに、なぜチャレンジすることが大切なのか私には理解が出来ませんでした。

入職して一か月程経った頃から、本格的に透析業務に入らせて頂くようになりました。最初は、スタートの検定合格に向けて「穿刺介助」を覚えることから始まりました。
最初は思うように手が動かず、悔しい気持ちばかり抱いていました。また、スタートが遅れてしまうと、終了時間も遅くなってしまうため、患者さんにもスタッフにも迷惑をかけてしまいます。「患者さんに安定した透析を提供しなければならないのに、私は迷惑しかかけていない。」としばらく自己嫌悪に陥っていました。

そんな時に「最近、悩みとかはある?」と私のことを気にかけて声をかけて下さった先輩がいました。私は思い切って「私が不慣れなせいで、先輩方に迷惑しかかけていなくて申し訳ない気持ちでいっぱいです。」と言いました。すると先輩は「迷惑をかけているとかは考えなくていい。むしろ、先輩方を困らせるぐらい失敗していいと思うよ。」と言われました。
この言葉をかけられた時、正直驚きました。もちろん透析現場においての「失敗」は患者さんの命に直結することもあるため許されることではないと思います。しかし、自分を成長させるためには、何度も自分からチャレンジして失敗したとしても、次はどうすれば成功へと繋げられるのか考える事が大切だと気付くことができました。

思えば私は、穿刺介助に限らず他の業務においても、「失敗する。」と取り組む前から否定的に考えていました。そのため、これからは先のことばかり考えるのではなく、まずは目の前にあることから丁寧に取り組んでみようと心に決める事ができました。

それから穿刺介助を含むスタート検定、さらには回収検定など様々な検定に合格することができました。
検定に合格できたことも、もちろん嬉しかったのですが、先輩方から「安心して任せられる。」と褒めて頂けたことが一番嬉しかったです。
また、患者さんからも「いつも頑張っていますね。」や「明るく話しかけてくれるから元気が出ます。」と励ましの言葉を頂けるようになりました。その時に、患者さんにとってはいつもの透析でも、患者さんが少しでも笑顔になれるような思いやりを持った臨床工学技士になりたいと初めて心から思いました。

現在私は、リーダー業務の検定合格に向けて、日々様々な患者さんと向き合いながら業務を行っています。医療人としては、まだまだスタート地点に立ったばかりであり、この先の自分に対しての不安が消えた訳ではありません。しかし、緊張や不安などマイナスな気持ちになっているときほど、自分に自信を持って患者さんに寄り添うことができるようになりたいです。

また、私の周囲には、いつも心配し支えて下さる先輩方が沢山いらっしゃいます。そんな先輩方のためにも自分の決めたことは最後までやり遂げ、少しずつでも成長できるように頑張りたいと思います。