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活動範囲を拡げるための リハビリテーションマネージメント

  • 2021.09.3

A氏は50歳代男性です。脳卒中による後遺症で活動範囲が狭くなり悩まれていました。退院直後は車椅子が不可欠でしたが、リハビリテーションの結果、現在では装具や杖に頼らず歩けるまでに能力が向上しました。

次なる目標はひとりで外出すること。「コンビニを利用したい。」の要望に沿ってリハビリ計画を立案していきます。最寄りのコンビニまでは徒歩20分の遠い距離です。長距離歩行は転倒の危険性があり実用的ではありませんでした。

そこで担当理学療法士はシニアカーの利用を提案しました。活動範囲が広がれば生活の質や自己肯定感の向上にとても良い影響を与えます。結果として後遺症も和らぎ、さらなる能力向上も期待できます。

話し合いを重ね、ついに練習開始です。公道では電動車いす安全運転指導員と連携して練習を行いました。「安全に乗り降りするには?」「周囲の確認は?」「適切な速度は?」問題点を共有し繰り返し練習しました。

訪問看護ステーション

ご家族同行で3ヶ月程度の練習期間を経てコンビニまで一人で買い物ができるようになりました。現在は安全面を考慮して週に一度交通量の少ない土曜日の早朝のみシニアカーを利用されています。元々運転が好きだったA氏。
ひとりで出かける解放感を感じ「コンビニで飲む缶コーヒーの味は格別。」と一言。これからのリハビリにも力が入りますね。

赤とんぼ訪問看護ステーションは当事者の活動性の向上に焦点を当てて今後とも質の高いサービスを提供して参ります。

―赤とんぼ訪問看護ステーション 理学療法士 安藤文浩―