不安への兆し

2000年介護保険制度開始時、私は病院勤めを辞めてワンオペ育児真っ只中でした。
早く復職したい気持ち半分、保育園選びや家事育児仕事の協立問題と先行きへの不安がのしかかる毎日でした。そんな時声をかけてくださったのが学校の保護者会活動で知り合った赤とんぼの職員の方でした。

介護医療看護から見えた在宅への拘り

私は、老人保健施設がどんな仕事をしているのかよく知らなかったため、「まずは復職のリハビリくらいから」の軽い気持ちでリハビリ助手のパートから赤とんぼに2008年入職しました。介護保険の現場を目の当たりにし、病院勤めでは余り深入りしない自宅での日々の生活状況に寄り添う介護医療看護を実践しているスタッフを見てこんな世界が在宅生活を支えているのだと思うようになりました。また、認知症の方、一人暮らしの方、麻痺のある方や外出できない方などが介護保険を使い在宅生活に楽しみや生きがいを持って過ごされる手助けをしている事が新鮮でした。病院勤めの時は治療半ばで在宅出来ず、転院する人や早く家に帰りたいと言う患者さんの横で困っている家族を見ながら在宅への想いが強い方を他人事のように思っていました。

復職して見えてくるもの

今、介護現場で働きながら「出来るだけ住み慣れた自宅で生活したい」という利用者の思いを叶えてあげる手助けを看護師の視点やケアで助言できる事にやり甲斐がある立場だと感じます。
介護現場は人手不足である事は間違いありません。看護師が介護やリハビリの手助けをしないと現場は上手く成り立っていかない現状です。
看護師の職能に直接関係しない排泄介助や食事介助をしながら理不尽な現状から逃げ出して楽になりたいと思う事もあります。
ですが、できなかった事ができるようになった利用者や成長して頼もしくなったスタッフを見てもっとやるべきことがあるという思いが湧いてきました。

最高のパフォーマンスのための決断

資格を持っていないスタッフやパートの方、中途採用の職員など様々な能力を最大限に活かして協力し合う職場風土を作りたいと思い、私は管理職のスキルを習得する方向にシフトする決意をしました。それぞれの個性や才能のピースが上手くハマって'心ひとつ'になる事を目指して日々格闘しています。